|
||||||
<ひとことの余韻> | ||||||
「ひとこと」がこころに残って働きつづけることがある。 「おや!」と思った。 こんな時、おおかたの人は黙ったまま腰をゆずる。 それは、いかにも「しょうがない、まあ、掛けさせてやるか」とボヤいているように見える。 そのため、腰掛けた人は、少々身の縮む思いをしつづける。 ところが、このオッサンは最初から気持ちよく「どうぞ」といってくれた おかげで、それから下車するまでの30分、私は安らかな気分でゆったりと座っていることができた。 私はつくづく思った。 人に何かをしてあげる時、黙ってしたのでは、相手の身体だけしか楽にならない。ひとこと、はっきり言葉を添えれば、相手の身もこころも楽にすることができる。オッサンは、このことを先刻ご承知だったのであろう。そして、こういう時に、すかさず、「どうぞ」といえるように、常々からこころがけていたに違いない。 いまどきの人は、みんな自己中心だ、とよくいわれるが、接してみるとこころの底には太古から授かってきた「人を楽にしてあげたい」という優しいこころを持っている人が多い。 オッサンの「どうぞ」にも優しい余韻があった。 ■相手の身も心も楽にするひとことが言えるようになったり、感じられるようになれば私たちのコミュニケーションはずいぶんスムースになるのでしょうね。 |
||||||
フィリア WEB 話し方教室へ(金光達太郎師のワンポイントアドバイス) | ||||||
Ⅰ.人を好きになることの大切さ | Ⅱ.人間なのだ・・ | Ⅲ.やさしい人・・ | Ⅳ.小さな神様・・ | Ⅴ.オレサマムシ・・ | ||
Ⅵ.五分の魂 | Ⅶ.ありがとさん | Ⅷ.ひとことの余韻 | Ⅸ.鳩は利口です | Ⅹ.本当に苦手? |