金光達太郎の「話し方ワンポイントレッスン」W |
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「小さな神様」・・・・・ | ||||||
私は波を見るのが好きだ。 ある日、私は犬吠崎をめざして鈍行列車に乗っていた。車内はガラガラで、私は4人分のボックス席ただひとり。窓側、前向きの席に座れてルンルン気分であった。列車は雑木林をぬけ、畑を渡り、ゆっくりと銚子に向かっている。 そこまでは何ごともなかった。だがちょっと困ったことが起きた。 一人の高校生が、飲み終わったアルミ缶を手でぺコッと凹ませた。その高い音が面白かったのか、凹んでない方をまた押えた。ペコッ、ペコッ、ペコッ、ペコッ・・。 その音は、はじめは、ただの音だった。だが、しばらくつづくうちに次第に耳についてきた。もう、やめてほしいと思えるようになってきた。 「おい、きみ、やめたまえ、うるさいよ」と、怒鳴りたかった。だが、そんなことをしたら、この子たちの折角の旅行に曇りができる。 しばらく考えてこういった。 「すまないが、私はね、その音に弱いんだ。頼むね」 |
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フィリア WEB 話し方教室へ(金光達太郎師のワンポイントアドバイス) | ||||||
T.人を好きになることの大切さ | U.人間なのだ・・ | V.やさしい人・・ | W.小さな神様・・ | X.オレサマムシ・・ | ||
Y.五分の魂 | Z.ありがとさん | [.ひとことの余韻 | \.鳩は利口です | ].本当に苦手? |